■イントロダクション
ある日、異世界から来たと名乗る男から人類に渡されたのは、大気中に存在するエネルギーを変換して電力化を行う技術だった。それによって世界はエネルギー危機を回避することになった。
それから数百年。ルーフケイズドライブと名付けられた基礎技術は、多くの科学的進化を生み、そして、戦争の新たな火種となり、地球にダメージを与えた。地球は急激な寒冷化に襲われ、海には流氷が漂い、大地の大半は氷り、人類は凍てつく寒さの中での暮らしを余儀なくされたが、それでも、人類は、ルーフケイズ・ドライブを捨てることはなかった。
ルーフケイズ技術のブラックボックス部分の謎を解明するため、ICMC阿字ヶ浦研究所は作業を進めていたが、その最中にシステムが暴走し大災害を引き起こす。
それから8年後。事故で亡くなった母親の意思を継ぎ、ジェネはルーフケイザー ジーヴァイドでマリアナ海溝の海底に向けて降下していた。
■用語
■あ
- ICMC(あいしーえむしー)
- 国際危機管理センター(International Crisis Management Center)
- 国連直下に設置された地球規模の特殊リスクに対応する組織
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- ICMC阿字ヶ浦(あじがうら)研究所
- ICMCジャパン本部の通称
- 地球寒冷化の海洋調査を主とする研究、開発を行っている
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- ICMCジャパン本部
- ジャパン国、イバラキ県阿字ヶ浦シティーに設置された拠点
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- ICMCつくば研究所
- ジェネが通うルーフケイズ技術の研究所
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- 阿字ヶ浦メルトダウン
- 8年前にICMC阿字ヶ浦研究所で起きたルーフケイズ・ドライブ実験炉の暴走事故の通称
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- アドレマイズ
- 人類史の中で高い頻度で地球上の時間軸に干渉している異世界のひとつ
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- アドレマイズ・パターン
- 異世界との空間通路が開くリスクを指標化したものでレッド、イエロー、グリーンの三段階の定義がある
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- 異世界(いせかい)
- わたしたちの住む世界とは異なる次元や時間軸の中で存在する世界
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- おとひめ
- ICMC阿字ヶ浦研究所所管の海洋調査船
-
■か
- 気象管理(きしょうかんり)センター
- つくばシティに拠点を置く国際組織
- 地球寒冷化に対応するため、寒冷化を減速させる目的で気象制御タワーを世界各地に建設し運用している
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- 気象制御(きしょうせいぎょ)タワー
- 高さ500Mの建造物
- 世界の7箇所に建設され、相互連携することで地球の寒冷化を減速するよう気象環境を操作している
- その特性を活かし、電波塔としても運用されている
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- 国連(こくれん)
- 国際連合
- 西暦1945年に設立された国際組織
- 事実上の世界的集権機関として機能しており、地球のみならず太陽系開発の実権も掌握している
-
■さ
- ジーヴァイド
- Zタイプのルーフケイザー
- 高出力のルーフケイズドライブを装備したマシン
- 人間の生体エネルギーを触媒とし最大スペックを発揮する
- 装備した機体の重力場環境、慣性、揚力、空気抵抗、浮力などを制御できる
- 複雑なバランス制御を可能とするため、ルーフケイズ結界と人間の脳との意思伝達ロスの少ない高マッチングのパイロットが必要となる
- 国際条例により、兵器としての運用が固く禁じられている
- ICMC阿字ヶ浦研究所の3機が国連決議により承認された機体
- それぞれ、ゼットワン、ゼットツー、ゼットスリーと呼ばれる
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- ジーヴァイド1号機
- オールラウンド対応型のルーフケイザー
- タンデムシートで最大2人乗り
- 形式番号:RFIZ-01C
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- ジーヴァイド2号機
- 深海用特殊潜航艇としてカスタマイズされたルーフケイザー
- 3人乗りに改修されている
- 形式番号:RFIZ-02MC
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- ジーヴァイド3号機
- デモンストレーション用として各種イベントに出動するルーフケイザー
- 各種システムにはリミッターが施されており、装甲や関節部等の素材も他の2機と比較して脆弱な品質で構成されている
- 形式番号:RFIZ-03
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- Z(ゼット)タイプ
- ルーフケイザーの中でも特殊なカテゴリーで、開発中に暴走事故を起こした経緯を持つ
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- ソロモン条約
- ルーフケイズ技術の軍事目的利用を禁止する国際条約
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■た
- 地球寒冷化(ちきゅうかんれいか)
- 人類が直面している地球規模の大寒波
- 洋上の大半に流氷が散在するまで気温が低下している
- 原因は不明
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- つくばシティ
- イバラキ県南西部に位置する都市
- 首都タチカワを中心としたジャパンの頭脳の一翼を担う学術都市として機能している
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- デモンコア
- ルーフケイズ結界をエネルギー化する変換装置としての働きをする結晶体
- 異世界からもたらされたオリジナルは数ミリ画の欠片の状態でしか存在せず、その代わりに、人工の擬似デモンコアが生成され用いられていた
- 21世紀中盤にあった異次元人との戦乱の末、月周回軌道に放置されたが、極秘裏に回収され、国連の管理下にある
- 擬似デモンコアに対して、オリジナルはマスターコアとも呼ばれる
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- デモンドール
- ルーフケイズ結界(エルチネッセ)を用いた人型兵器、ルーフケイズマシンの別称
- デモンコア(ズレンタス・リックル)を搭載することで、パワーが増大する
- 本作ではこれを「ルーフケイザー」と呼称している
-
■な
■は
■ま
- マリアナ海溝(かいこう)
- 北西太平洋のマリアナ諸島の東、北緯11度21分、東経142度12分に位置する、世界で最も深い海溝
- 太平洋プレートはこのマリアナ海溝においてフィリピン海プレートの下にもぐりこんでいる
- 北東端は伊豆・小笠原海溝、南西端はヤップ海溝に連なる
- マリアナ海溝の最深部はチャレンジャー海淵(チャレンジャーかいえん、Challenger Deep)と呼ばれている
- その深さについてはいくつかの計測結果があるが、最新の計測では水面下10,911m
- 地球上で最も深い海底凹地(海淵)
- これは海面を基準にエベレストをひっくり返しても山頂が底につかないほどの深さで、地球の中心からは6,366.4km地点にある
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■や
■ら
- リスナー
- 謎のの声が聴こえる能力を持った者
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- ルーフケイズ結界(けっかい)
- 地球全体を覆うエネルギー場
- 大気圏内に遍満し電波障害や種々のセンサーを無効化する他、物理現象を歪曲させる特性を持つ
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- ルーフケイズ技術(ぎじゅつ)
- ルーフケイズ結界が発生させる現象を利用した各種技術の総称。RF技術ともいう
- 主に発電、重力場制御などの効果が得られる
- ルーフケイズ結界をエネルギー変換するためには、デモンコアが必要となる
- 兵器転用を抑止するための国際法(ソロモン条約)が決議されるも、更なる戦乱拡大の要素ともなるため、軍事目的の開発は禁止されている
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- ルーフケイザー
- ルーフケイズ結界エンジンで稼動する高機動人型メカ
- 21世紀に起きた異世界戦争の際にもたらされた技術を国連主導で再構築し製造したマシンを発端とする
- 未知数の能力の制御を行うことが出来ず、莫大なエネルギー放出量は運用リスクが高いため開発は継続されているものの使用範囲は限定され台数も監理されている
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- ロイスレポート
- 人類に異世界の技術をもたらした男が残したメモを編纂した極秘文書
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■わ
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以上